やりたいことは分かるけど...
共和党のドナルド・トランプと民主党のヒラリー・クリントンが争った米大統領選でトランプに敗北した民主党選挙参謀が、起死回生を狙って田舎の町長選挙で大波乱を巻き起こすさまを、スティーブ・カレル主演で描いたコメディ。ヒラリー・クリントンが敗北を喫した民主党の選挙参謀ゲイリー・ジマーは、農村部の票を取り戻す秘策として、YouTube動画で話題の退役軍人ジャック・ヘイスティングス大佐を田舎のディアラーケン町長選挙に立候補させる。大佐の娘ダイアナや住民のボランティアたちと地道な選挙活動がスタートするが、対立候補の現役町長ブラウンに、共和党がトランプの選挙参謀フェイス・ブルースターを送り込む。ディアラーケン町長選をめぐって、ゲイリー対フェイス、民主党対共和党の巨額を投じた代理戦争の幕が切って落とされた。監督・脚本は、16年間にわたり政治風刺コメディ番組「ザ・デイリー・ショー」の司会を務め、アカデミー賞でも2度司会を担当したジョン・スチュワート。
アメリカ大統領選等における多額の選挙資金が使われることに対して皮肉を本作に込めていると思われる。もちろんメッセージは分かるが、映画としては少しつまらないというかギャグの部分は全てスティーブ・カレルとローズ・バーンが担当しており、この二人にすべてをゆだねすぎている気がする。もちろんこの二人は凄いし、何よりクリス・クーパーとマッケジーナ・デイヴィスも出てるし、キャストは凄く豪華だ。
まあ確かにアメリカの選挙は多額の資金を使いすぎて、肝心の選挙当事者たちをだいぶ置き去りにしてきた過去があるから、本作のメッセージがささるが、やっぱり映画としては大変微妙である。しかもこの映画に出てくる立候補者たちがいったいどんな政策を考えているかよくわからないので、その辺をもっと深彫りしたり、マッケジーナの役どころをもっと増やすとかするべきだったと思う。