@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『約束の宇宙』

女性が労働していくうえで出会う苦難を表している

 

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『約束の宇宙』

 

 オリジナル脚本ではあるが、おそらく歴代の女性宇宙飛行士をモデルにしている。監督はアリス・ウィンクールで音楽は坂本龍一である。欧州宇宙機関JAXAが製作に協力している。

 

 ひとりの女性宇宙飛行士が宇宙に行くまでがテーマであるため、これは宇宙がテーマと言うよりかは女性が労働するうえで遭遇する受難や苦労をテーマにしている。まず宇宙に行くと決まってから子どもの世話をどうするかについて悩むのだが、まず父親だった子どもの世話どうしようかなんてまず悩まないだろう。映画では別居している元夫が世話してくれることになったが、それでもかなり説得に苦労しているようだった。次に訓練が始まってから、生理について問われる。(この視点はめちゃくちゃ女性監督ならではだ) 生理道具を宇宙に持っていくのに自分の事物を減らされるなんて、この映画を観なければ知らなかったという人は多いのではないか。次に超めんどくさい男性上司が出てくる。そいつは勝手に主人公の才能をマンスプレイニングして過小評価してくる。そんなめんどくさい奴に自分の能力を評価していただき、こちらから積極的にコミュニケーションをとるなんてめんどくさすぎだろう。まずこの男性上司は上司やチームメイトとしての仕事を放棄している。あんな奴でひょかされるなんて下駄を履かされている男性上司だ。こういうやつはどの職場にもいるのだ。そういう男性上司と女性は労働するうえで戦っていくのだ。この映画は本当に女性の労働環境を丁寧に描き告発する映画だ。

 

 映画としても全体的に非常によく出来ている。特に主人公と娘が施設から内緒で抜け出して宇宙船を見に行くシーンはかなり映画的であるが、非常に感動的なシーンだ。主人公が途中から宇宙のプロジェクトに参加するのはロン・ハワード監督の『アポロ13』に似ており、宇宙を詩のように表現しているのはロバート・ゼメキス監督の『コンタクト』を彷彿させるし、ぜひ90年代映画オタクも見てほしいと思う。