GB19940919’s diary

GB20th(https://twitter.com/GB19940919)の映画感想雑記です

『愛と闇の物語』

というかこれ、女性にとって家庭がいかに鬱なのかについての映画じゃないのか

 

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 『愛と闇の物語』(a Tale of Love and Darkness)

 

イスラエルの作家でジャーナリストのアモス・オズの自伝的小説を映画化。イスラエル建国前夜、幼少期のアモスが両親とともに過ごしていた英国統治下のエルサレムで体験した日々を描いた。1945年、英国統治下のエルサレムで父アリー、母ファニアとともに暮らす少年アモス。一家は、ほかの多くのユダヤ人同様に、迫害から逃れるためヨーロッパから移住してきた。しかし母のファニアは、戦争の恐怖と、その後に続く日々の退屈さによって心に影を落としていた。さまざまな不安や不満が鬱積する中、ファニアは持ち前の想像力を生かして冒険物語を創作しては、息子のアモスに語って聞かせていた。そしてアモスにとっては、母から物語を聞かされたことや詩を詠んでもらったこと、言葉や言語を教えてもらったことが、後の人生に大きな影響を与えていく。

 

 小説を元にナタリー・ポートマンが監督・脚本・主演を務めている。ちなみに2015年に海外で公開され、やっとこさ2021年に小さいながら日本でも公開されている。全体的に暗い映画で大変地味な作品であるが、ナタリーの初監督作品としては素晴らし出来だと思う。

 

 どこまでナタリーが原作との違いを脚本にこめたのか分からないが、私はこの映画は家庭がいかに女性にとって鬱を併発する環境なのかを示している映画であると思った。まず息子アモスと父アリーは、学校と職場と家庭以外にも自分の居場所があり、好き嫌いに関係なく家庭以外に居場所がある。しかし母ファニアは家庭以外に居場所がない。そのためイスラエルの政治不安がそのまま家庭に降りかかる。またファニアは一日をほとんど家事などに費やしている。特に配給制の時は配給を待つのに相当長く待っていたようだし、とにかく政治状況が安定しようが不安定だろうが、ファニアは家庭に縛られ鬱状態になっている。そんな母の状態がアモスの目線を通して語られる映画だ。