@GB19940919’s diary

GB(https://twitter.com/GB19940919) (twitter→GB19940919)の映画感想雑記です。劇場で観た映画からWOWOWやサブスクで観た映画やドラマの感想です。

『ダウンサイズ』

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ダウンサイズ』(Downsizing)

 

ダウンサイズして夢のような生活を送る人々に焦点を当てるアイデアと多様&豪華なキャストが良かったのだが、常に一定のトーンで2時間15分もの長いストーリーが進んでいくので映画としてはかなり退屈だった。アイデアが素晴らしいだけに非常にもったいない。経済的な理由(食費や家賃など)でダウンサイズして、ダウンサイズした人々が集まってコミュニティが形成され、そこがユートピアのようになっていた。しかしダウンサイズのコミュニティにも格差があり、スラム街があった。つまりダウンサイズしても、人種(劇中では描かれていなかったがおそらく性別も)が起因で起こる格差はなくならない。私たちの世界で起きている都市的生活が起こす格差は理想郷と考えられていたダウンサイズコミュニティでも変わらず起こるということだろう。ダウンサイズ研究の第一人者に会いに行くためノルウェーにあるダウンサイズコミュニティに行くのだが、そこでの暮らしは都会的生活様式とは180度違う、農業や畜産業を中心とした生活が営まれており、そこが本当のダウンサイズコミュニティの理想郷のように描かれていた。ノルウェーダウンサイズコミュニティに主人公(マット・デイモン)がかなり触発されていた。しかしノルウェーダウンサイズコミュニティでも全世界共通の問題を抱えていた。それは環境問題。『ダウンサイズ』、つまりダウンサイズしても地球上で暮らしていたらみんな共通の問題(地域間格差、人種差別、環境問題)を抱えて、そこからは逃れられず向き合うしかないということを伝える映画だと解釈した。そういうメッセージがある映画は好きなので、なおさら映画としてもったいないという印象。『ダウンサイズ』のキャスト。まずマット・デイモン(最近の発言は受け入れられないものがあったけど)は終始困り顔で良い。クリステンは冒頭30分くらいしか登場しないけど、ドラマ作品で出してくる彼女の魅力が出ていた。最後にはちゃんと笑わせてくれる。クリステン、コメディもドラマ作品でも才能発揮してくるから感心してしまう。登場時間少ないけどこの3人も。ローラダーンに関してはバスタブから出てこない…謎に金持ち&パーティ大好きセルビア人のクリストファー・ヴァルツも出ていた。 ダウンサイズ研究の第一人者&ノルウェー人の『幸せなひとりぼっち』のRolfさんも。国際色豊かなキャスティング。個人的に一番良かったのがベトナム人マット・デイモンと恋仲になる役のホン・チャウさん。この役がきっかけでGG賞でも助演女優賞にノミネートされていたのに全く知らなかった、反省。『最後のジェダイ』同様にアジア系が活躍する映画だった。しかし彼女は難民で掃除婦として生計を立てており英語の発音に難がある役だったので、アジア系女性をステレオタイプに押し付けているという批判は出ている。ホン・チャウ自身は役を擁護しているみたい。映画とは別に独立したWikipediaが作られているくらいだ。

ダウンサイズコミュニティはあらゆる面で現実世界の縮図なので、私はホン・チャウさんの英語の発音は全く問題ないと感じた。むしろ自信を持って回りの白人男性たちに自らの気持ちを伝える姿に感銘を受けたし。そういう姿を見せるのは映画として大事だと思うし。